史料館
史料館特別展

第34回テーマ「花めく季節」

会期 2017年4月1日(土)~6月28日(水)
時間 9:30~16:30
入館料 無料です。

春の彼岸が過ぎ寒さが和らぐ陽春の4月に入ると、桜を鑑賞し、春の訪れを寿ぐ「花見」で日本中が賑わいます。当山でも鉄斎美術館前の淡墨桜を皮切りに、境内の桜は一斉に満開の時を迎えます。この時期には、毎年「春の茶会 野点席」が史料館前の広場で催され、満開の桜の下、春の佇まいを感じていただく恒例の行事として、多くのご参詣の方々に親しまれています。

桜を愛でる「花見」を代表格として、我国では季節毎に花を慈しむ習慣が根付いています。先ず、早春に咲く梅は百花に先駆けて春の訪れを告げる花として知られ、奈良時代を起源とする「花見」は当初、梅の鑑賞であったとされています。次いで春に大輪の花を咲かせる牡丹は春の彼岸にお供えする牡丹餅(ぼたもち)として引用され(因みに秋の彼岸はお萩(はぎ))、また百花王とも呼ばれるなど身近で美しい花の象徴的な存在として親しまれています。初夏に咲く杜若(かきつばた)は「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若」ということわざでも知られ、平安時代の歌人在原業平(ありわらのなりひら)が歌を詠んだ愛知県八橋町が景勝地として著名で、八ツ橋は杜若を表しているとさえ言われています。

今回は、初春から夏頃にかけて咲く様々な花を描いた作品を展示して、移ろいゆく季節と折々の美を感じていただきたく開催するものです。