史料館
史料館特別展

第35回テーマ「練達の技 帝室技芸員と人間国宝」

会期 2017年7月1日(土)~9月28日(木)
時間 9:30~16:30
入館料 無料です。

帝室技芸員は、帝室(皇室)による日本美術・工芸の保護奨励を目的とし、優れた美術家に終身の栄誉と地位を与えた制度です。明治23年から絵画・彫刻・工芸・建築・写真などの分野から、計79名が任命されました。皇室向けのほか、万博など出品物の制作も行い、ヨーロッパのジャポニズムブームとも相まって戦前の外貨獲得の一端を担いました。主な作家に画家の富岡鉄斎、横山大観、金工家の香取秀真(ほつま)、彫刻家の平櫛田中(ひらくしでんちゅう)など。終戦後、内閣府・宮内省の改変に伴い事実上廃止され、その後、重要無形文化財制度として引き継がれています。

重要無形文化財保持者(人間国宝)は、帝室技芸員制度の流れをくみ、新たに芸能分野(歌舞伎・文楽・舞踊など)を加えて認定された芸術家達で、当山所縁の陶芸家の荒川豊藏、金工家の香取正彦等が認定されています。特に香取正彦は、帝室技芸員の父 秀真とともに親子2代での認定者となりました。

今回は帝室技芸員から人間国宝へと繋がる重要無形文化財の保護奨励の流れをご紹介し、それぞれの練達の技をご覧頂きたく開催するものです。