史料館
史料館特別展

開館九周年記念テーマ「楽家と永楽家 -相伝の芸術-」

会期 2017年10月1日(日)~12月28日(木)
時間 9:30~16:30
入館料 無料です。

楽家は桃山時代の長次郎を祖とする京都、楽焼の陶工。千家十職の「茶碗師」で一子相伝を旨としています。長次郎は茶の湯の大成者である千利休に従い、黒楽・赤楽茶碗を造り楽焼を創設しました。その工法はろくろを使わず手捏(てづく)ねで成形を行うもので、その独創的な造形には千利休の侘(わび)の思想が色濃く反映されています。なお3代道入以降の各当主には隠居時に「入」の字を含む入道号が贈られており、後世ではその名前で呼ばれています。当代は15代楽吉左衛門です。

永楽家は室町時代の宗禅を祖とする京焼の陶工で千家十職の「土風炉(どぶろ)・焼物師」です。9代までは土風炉の制作を生業としますが、10代了全(江戸後期)は多彩な作品を造り、焼物師として認められるようになりました。千家との関わりも,この頃からと言われています。その作風は、交趾(こうち)、金襴手(きんらんで)、仁清写(にんせいうつし)など伝世品の写しを主とし多彩で、楽焼のみの楽家とは棲み分けがなされています。当代は17代永楽善五郎です。

今展は、千利休の侘の思想を受け継ぐ楽家と、多彩で華麗な永楽家の歴代の作品をご覧になり、それぞれの特徴的な相伝の芸術をお愉しみいただきたく開催するものです。