鉄斎美術館からのお知らせ

鉄斎美術館からのお知らせ

大阪城天守閣「特別展 幕末・維新の人とことば」展に富岡鉄斎筆《聖者問答図》ほか2点を出品します

10月6日(土)から、大阪城天守閣内3・4階展示室において「特別展 幕末・維新の人とことば」が開催されます。清荒神清澄寺 鉄斎美術館からは、富岡鉄斎筆《奴図 大田垣蓮月歌賛》(1867年)、《聖者問答図》(1924年)、《大田垣蓮月宛富岡鉄斎書状》(1865年)を出品します。
「特別展 幕末・維新の人とことば」出品目録

幕末・維新という時代の大きなうねりのなかに、近代文人・鉄斎がいかに位置づけられるのか興味のあるところです。お近くにお寄りの際は、是非ご覧になって下さい。

展覧会名:「特別展 幕末・維新の人とことば」
会期:2018年10月6日(土)~11月25日(日)
会場:大阪城天守閣内3・4階展示室 大阪市中央区大阪城1-1
電話:06-6941-3044
https://www.osakacastle.net/

鉄斎の猫図

近代日本絵画において有名な猫といえば、日本画では菱田春草「黒き猫」(1910年、永青文庫)、竹内栖鳳の「班猫」(1924年、山種美術館)などがあげられるでしょうか。洋画家なら藤田嗣治の猫も魅力的です。

あまり知られていませんが、近代文人画の巨匠・富岡鉄斎も個性的な猫図を描いています。
「万巻の書」を所蔵していた鉄斎にとって、大切な書物をかじる鼠は悩みの種でした。かといって、大黒天の使いである鼠を、猫を飼って駆除することはなかったようです。そこで「正月初五日の金危々日に猫を描くと鼠を鎮めることができる」という中国の習俗に拠って、猫を描いて書物を守ったといいます。なんとも鉄斎らしい対処法ですが、さて効果のほどは?

現在、開催中の「鉄斎―文人多癖―」展の前期展示(~10月14日)では、初公開の《画猫談叢》(1914年)を紹介しています。後期(10月20日~11月25日)にも、鉄斎の猫の画(2図)がお目見えします。
猫好きの方は必見です!!

「鉄斎―文人多癖―」展、ギャラリートークを開催しました

9月22日(土)、「鉄斎―文人多癖―」展の前期第1回目のギャラリートークを開催し、中国文人の癖好、日本の畸人たちの風流、鉄斎自身の多癖を、名品を通してご紹介しました。お話をさせていただきながら個別の作品を見てゆきますと、本当に好きなことがあれば、それについて学ばなくてはならないことに気づかされます。
山懐に抱かれた清荒神清澄寺は、これから秋色に染まる季節を向かえます。秋の1日、「好き」の極意を鉄斎美術館で堪能していただければ幸いです。

学芸員による展示説明会の日程は下記のとおりです。
前期:10月6日(土)
後期:10月27日(土)、11月10日(土)

13時30分より約1時間のご案内を予定しています。
事前申込は必要ありません。お誘いあわせの上、ぜひご来館ください。

木額「聖光殿」と門標「鉄斎美術館」

「何と読むのですか?」
来館者をしばしば悩ませる鉄斎美術館の玄関に掲げられた木額「聖光殿(せいこうでん)」と、門標「鉄斎美術館」。どちらも原跡は、昭和を代表する書道家の一人で、清荒神清澄寺と縁が深い森田子龍(1912~1998)の揮毫になります。昭和50年(1975)の開館以来、来館者の皆様をお迎えしておりますが、木額「聖光殿」は長年の風雨にさらされ、劣化が進んでいたため、夏期休館中に修復を行いました。力強い書が復活し、再び皆様のご来館をお待ちしています。

「鉄斎―文人多癖―」展へお越しの際は、木額と門標にも是非ご注目ください!
また、史料館では9月28日(金)まで「森田子龍―心の書―」展を開催中です。あわせてお楽しみください。

石水博物館「川喜田半泥子と乾比根会」展に荒川豊蔵作品を出品します

9月21日(金)から、生誕140年記念特別展「川喜田半泥子と乾比根会(からひねかい)-豊蔵・休和・陶陽 陶友たちとの桃山復興-」が三重県の石水博物館で開催されます。
清荒神清澄寺からは、荒川豊蔵作の《黄瀬戸竹花入》と乾比根会に関わる記念碑的な作品《萩水指 銘からひね》を出品します。
三重にお立ちよりの際は、是非ご覧になって下さい。

展覧会名:生誕140年記念特別展「川喜田半泥子と乾比根会(からひねかい)-豊蔵・休和・陶陽 陶友たちとの桃山復興-」
会期:2018年9月21日(金)~12月2日(日)
会場:石水博物館 三重県津市垂水3032番地18
電話:059-227-5677
http://www.sekisui-museum.or.jp/

「鉄斎-文人多癖-」展、本日から始まりました!

本日初日を迎えた「鉄斎-文人多癖-」展
  
タイトルにある「癖(へき)」とは、特定の嗜好物に対する異常な執着、偏愛のことをいい、今日的に言いかえるとすれば、マニアやオタクにあたります。
本展では、王羲之の鵞癖、陶淵明の菊癖、李白の酒癖、陸羽の茶癖、蘇東坡の談鬼癖、米芾の石癖、倪瓚の潔癖などの中国の文人たちの癖好をご紹介するとともに、鉄斎が中国の文人や日本の畸人たちの非凡な精神に学んで、のめり込んだ癖好のあり様を、多彩な作品を通してご覧いただきます。

入り口ホールでは、呉昌碩筆の《曼陀羅窟書》扁額が皆さまをお出迎えします。
前期展示は10月14日(日)までです。是非ご来館ください!

第7回聖光文庫文化講座のご案内

本年の12月2日(日)に開催される第7回聖光文庫文化講座(鉄斎美術館・宝塚市立中央図書館聖光文庫共催)のちらしが出来上がりました。
演題は下記のとおりです。

第1講 「鉄斎の絵と鉄斎ゆかりの敦煌古書-杏雨書屋の所蔵品から-」
東野治之(武田科学振興財団 杏雨書屋館長)
https://www.takeda-sci.or.jp/business/kyou.html

第2講 「京都の近代-美術工芸を中心に-」
並木誠士(京都工芸繊維大学教授、同大学美術工芸資料館館長)
http://www.museum.kit.ac.jp/

申し込みは、11月4日から宝塚市立中央図書館(0797-84-6121)にて、先着順で受け付けます(聴講無料、定員90名)。
専門的なお話が聞ける貴重な機会ですので、今からご予定いただきまして、是非ご参加ください。

「鉄斎-文人多癖-」展のちらしが出来あがりました!

「文人多癖」ってどう読むの? そんなお声がちらほらと届いています。
「ぶんじんたへき」と音読みし、「文人は癖多し」と訓読みします。
文人とは詩文書画をよくする人、癖(へき)とは今日的にいうならマニアやオタクに相当するといえます。

この度、「鉄斎-文人多癖-」展のちらしが出来あがりました。
今回は鉄斎の多癖をご紹介する企画ですので、ポップで多彩なイメージになるよう、デザイナーさんにお願いしました。
池大雅、王羲之(おうぎし)、倪瓚(げいさん)といった和漢の文人を選びましたが、彼らがどういった癖を持っていたかご存知でしょうか。

展覧会は9月11日から開催です。
http://www.kiyoshikojin.or.jp/tessai_exhibition/

ただ今、オープンに向けて準備中です。 ご期待ください!

辰馬悦叟君頌徳碑

鉄斎美術館「聖光殿」に向かって左手に、こんな石碑があるのをご存じですか?
仏教の開祖であるお釈迦様の足形を石面に刻んだ「仏足石」の隣に並ぶこの石碑は、「辰馬悦叟君頌徳碑」といいます。

辰馬悦叟(1835~1920)とは明治・大正期の西宮の酒造家です。近代文人画の巨匠富岡鉄斎(1836~1924)と親交が深く、鉄斎作品を蒐集していたことでも知られています。現在そのコレクションの多くは、辰馬考古資料館の所蔵となっています。辰馬氏が清荒神清澄寺の篤信者であったことから、没後、境内に頌徳碑を建碑することになりました。当山第37世法主坂本光浄(1875~1969)は、石碑の篆額(一番上に刻まれた題字)を依頼するために、初めて京都の鉄斎を訪ねました。このときの縁が、鉄斎と光浄の交流に繋がりました。

ひっそりと佇む石碑は、辰馬氏と清荒神、そして清荒神と鉄斎の縁を今に伝えています。
宝塚で歴史散策する折には、是非こちらにも注目してみてください!

国立新美術館「墨魂の昴」展に《白居易問鶴詩書》を出品しています

第70回毎日書道展を記念して、7月11日(水)より、近代書道の礎を築いた書の巨人たち(明治維新~昭和20年まで)の作品が揃う特別展示「墨魂の昴―近代書道の人々―」展が国立新美術館で開催されています。
清荒神清澄寺 鉄斎美術館からは、富岡鉄斎の書の代表作として《白居易問鶴詩書》を出品しています。
鉄斎をはじめ、大田垣蓮月、西郷隆盛、犬養毅(木堂)など戦後の書に大きな影響を及ぼした64人の作品が、文人・政治家・宮家、漢字、かな、篆刻・刻字、の四部構成で展示されています。また、日中平和友好条約締結40周年を記念して出品される愛新覚羅溥儀の作品も話題を集めています。
お近くの方は是非ご覧になって下さい。

展覧会名:第70回毎日書道展 特別展示「墨魂の昴―近代書道の人々―」
会期:2018年7月11日(水)~8月5日(日)
会場:国立新美術館 東京都港区六本木7-22-2
主催:一般社団法人 毎日書道会・毎日新聞社
http://www.mainichishodo.org/special_events/
電話:03-6812-9921